2003年式 メルセデスベンツA160L（W168）形式GF-168133について質問です。最近急に発進時にミッションが滑る感じになってきました。ゆっくりアクセルを踏めば滑らずにスタートできます。

ただ、変速時もなめらかでショックもなく、一度発進してしまえばその後はスムーズに加速できます。高速走行時も不具合もなく、加速時のシフトダウンも変な変速ショック等ありません。


先日、ショッピングモールの屋上駐車場に車を止めようと思い駐車場に上る少し急な坂道を登ろうとした時にすべりが発生し、後ろへ下がる事はありませんでしたが、エンジン回転が上がるだけで前に進む事が出来なくなりました。（半クラッチで微妙に前に進む感じ）
また、シフトレバー操作時もショック等もなく、クリープ現状もしっかりあります。

ネットで色々調べてみるとA160にはこの手のミッショントラブルが多い事はわかったのですが、ほとんどの場合がその時にメーター内のシフト表示（DとかRとか表示されるところ）が「F」表示になるとの事でしたが、私はまだ前出のどの状態でも「F」表示になったことがありません。

このような場合、どのような故障原因が考えられるのでしょうか？また修理費用はどのくらいになりそうでしょうか？

因みにこの車は中古で購入し、現在10万7000kほど走ってます。
前オーナーの定期点検簿やボンネット内のシール等を確認しても、現在までATF交換をしたような痕跡はありません。

機械ですので実際に見て頂かないとわらないかとは思いますが何卒宜しくお願い致します。

A160のミッションはそれぞれのギヤに油圧で作用する湿式多板クラッチがついており、変速はそれぞれのクラッチの油圧を切り替えることによりおこなわれています。

坂道発進時にエンジンの回転が上がるだけで前に進まないという症状から考えますと、1速のクラッチが滑っている状態かと思われます。
この状態はメルセデスのA160のATミッションの故障に多い1速クラッチハブの故障の可能性が高いです。1速クラッチのハブにクラック（亀裂）等の損傷が発生し、1速のクラッチを作動せるための油圧が逃げてしまっているため、クラッチ板を抑える力が弱くなりクラッチが滑ってしまいエンジンの回転だけが上がってしまっている状態が疑われます。

フェイル・セーフモード「通称F表示灯」は、ATの異常を車両のECUが検知すると点灯します。このランプが点灯すると2速ギヤに固定（走行中であればその時点でのギヤ又は5速に固定）になります。今回の症状が進んでいけばいずれは「F」表示灯が点灯する可能性があります。

上記の1速クラッチハブの故障の場合、修理工場により対応できるスキルやノウハウ等が異なるため、その修理方法も変わってくるかと思います。修理方法としては、現状のミッションを脱着・分解し1速クラッチハブを新品部品に交換しオーバーホールする方法やリビルトミッションや新品のミッションへ載せ替える方法があり、それらの修理方法にもより修理金額も変わってきます。またA160のミッションは脱着するだけでもエンジンスペースの関係もあり、エンジンごと脱着する必要があり工賃も高額なものになるため、いずれの方法で修理したとしても修理費用は30万以上と高額なものになります。

高額な修理費用になるため、修理するか否かの判断で思慮されることと思いますが、この状態でクルマをご使用されますと1速での発進が困難な状態に陥る恐れがあります。安全のためにもお近くの修理工場（できれば輸入車の整備に精通している工場）に一度、点検していただいた方がいいでしょう。

かなり詳しく教えて頂きありがとうございます。やはりクラッチハブの故障が濃厚でしょうか。一度専門の修理工場に見てもらおうと思います。
この度はありがとうございました。